群論(自分の解釈)

きっかけ

 工学部の化学系でも分子の対称操作などの群論がらみの話がでてくるものの、「まあ、群論はわからなくてもなんとかなるからとりあえずやり方を覚えといて」と雑に扱われたことで、やり方はなんとな~くわかるものの、群論そのものは全く理解できておらず、そのことにどこかもどかしさを感じていた。そこで、一般教養科目のゼミ形式の授業において群論の内容を扱ってくれるということなので、そこで群論をかじってみることにした。ここではそこで得た自分なりの解釈を書き残していきたいと思う。

 一応補足説明をする可能性はあるものの、線形代数の対角化までは理解しておくと読みやすいと思います。

 今回は、「群論とは何か?」まで述べることとした。数学の専門家でも何物でもないので、何か間違いや補足がある場合はコメント欄に書いていただけますと助かります。

内容をまとめた資料

 簡単に言えば、ある計算法則が成り立つような文字の仲間ということです。ただその計算法則も何でもよいかと言えばそうではありません。すなわちある計算法則のうち公理1と公理2を満たす要素が無い場合、これはGは空集合となりますから群ではありません。

 しかし、ある計算法則があり、公理1、公理2を満たすような仲間があればそれらをまとめて群と呼ぶことができます。

 以下の証明のポイントとしては、ある数aに対応する右単位元が、群の任意の元bの右単位元であることを述べています。任意のbに対して成り立つというところがミソです。

 続いて左単位元について同様の議論をしたのち、右単位元と左単位元っておんなじだよね~と証明しております。

 続いては、十分性の証明です。この証明におけるポイントは、任意の元bを決めれば、baも任意に決まる数であり、これを任意の元として新たにa'と置いているところです。

 また、一意性の証明は、まず一意でないとして、x_1,x_2を定めたうえで、それらが一致することを示すことで、一意性の証明を行っております。このロジックは線形代数の教科書でもたびたび登場するものなので、ぜひ使えるようになっておくと良いかもしれません。

 ここで群には二項演算が存在すると述べましたが、この回転操作が二項演算であります。行列を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。

 左右反転させたとき、ことなる頂点の組み合わせは以下の6通りです。三角形のなかに示された状態は、初期状態eに対し、作用させる数字を指しています。

 回転操作が二項演算になるイメージがつきにくいと思いますが、以下の場合を見ればちゃんと二項演算になっていることがわかると思います。つまり、下記に示された座標に変換する行列をそれぞれ定義できますよね?